宣言と綱領

宣  言

 

 我が青山学院は、創立以来キリスト教主義に基く健全な教育文化の実現に努め時流に阿る所なく所信を遂行し、日本教育界に独自の地位を占めて来た。然るに大戦以来この建学の精神は忘れられ、教育内容は沈滞して、今日尚回復を見ていない状態である。また一方には敗戦後の日本を建設すべき新らしき教育のための諸条件は充たされず、我ら学院に職を奉ずるものの深く憂いとするところである。ここに於て我らは互に励まし、労苦を分ち再建に心を砕いているのであるが、この苦闘は期せずして堅い団結を促し、遂にこの旺んな教育意欲を、合法的機関を通じて具現しようとする迄に発展した。
 我らの熟慮討議を重ねて到達した企図は、まず全身を教育に没頭し得る生活の完全なる保障であり、進んでは学内教育機構を刷新して教育行政の民主化を図り、明朗な人事行政を行わしめると共に,学会の設立によって教職員の学的内容を高め且つ信仰復興の諸運動を盛んならしめようとするものである。更に基督教大学問題、教職員奨学機関の設置、図書館の強化等にも大いなる関心を有するものである。
 この組合行動は新憲法精神に則る教育的活動として、生徒に対しては健全なる民主精神の実践を教示することであり、対外的には教育者の社会的地位を向上せしめる積極的活動である事を期している。
 我らはこの所信に於て組合を結成することをここに宣言する。

 

綱  領

1. 生活諸条件の改善
1. 教育行政機構の民主化
1. 学問研究の交流と学会の設置
1. 学院建学精神の昂揚
1. 教育者の社会的地位の向上

以上

1947年(昭和22年)1月18日

 

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